経営幹部 座談会Cross Talk 03

未来を、ここから

企業はよく〝進化する生物〟に例えられます。だとしたら、現在の姿に至った背景には、無数の「進化のストーリー」が存在しているはず。
明かされる機会は少ないであろうストーリーに「スポットを当てたい」というのが、このクロストークの狙いのひとつ。
それは同時に、「未来を、ここから」というテーマに通じるはずのものだから─。

荒木 隆
荒木 隆
取締役副会長
神足 勝昭
神足 勝昭
代表取締役社長
菅原 昌
菅原 昌
執行役員
光本 泰弘
光本 泰弘
執行役員
泉妻 宏治
泉妻 宏治
技監

グローバルウェーハズ・ジャパン(GWJ)のあゆみ

荒木
私たちはさまざまな役割を担いながら、当社の成長や歴史に関与してきました。皆さんにもそれぞれの思いや経験があったことと思います。そんなところを、差し支えのないギリギリのところ(笑)で、話を進めていきましょうか。私自身は、当社の最大の強みは、設立以来40年以上に渡り、一貫して「シリコンウェーハ製造」を続けてきたことにあると思っています。
光本
過去には、シリコンサイクル(半導体産業における4年ごとの景気循環周期)や世界的不況の影響を受け、会社存続の危機を感じたこともありました。しかし現在は、グループ全体の市場シェア拡大や企業活動コスト見直しによって、安定成長を実現するまでに至りました。その間、多くのことを経験しましたね。
泉妻
私自身のミッションは、市場動向を鑑み、品質とコストを顧客本位で、タイムリーに製品を市場に出すこと。同時に、世界一の市場シェアとなる半導体向けシリコンウェーハメーカーとして、卓越した技術力を有する企業になること。人を育て、技術・知見を伝承する取り組みが、今の当社を形づくっていると感じます。
神足
結果がすべてを物語っていると思います。「苦しい時期」もありましたが、常に若きリーダーたちが、アグレッシブに事業運営に関わり、乗り越えてしまう事実。この若きエネルギーが、一貫して「シリコンウェーハ製造」を続けてきたことに繋がるかもしれませんね。

ターニングポイント

荒木
「皆さんのおっしゃる通りですね。当社の歴史の中で大きな転換点のひとつは、2006年のMBO(Management Buyout:経営陣買収)によって日本国内の企業グループからの独立したことでしょうか。これをきっかけに「真の競争環境」の中で「タフさ」と「したたかさ」を蓄えられたと感じています。
菅原
その時に得られたのが、「垣根のない会社」という企業文化かもしれませんね。社長室のドアは常にオープンですし、月並みな表現ですが、風通しの良い企業になった。既存の枠組を超えた議論ができる環境を得て、本当の意味での「仕事が面白い会社」となった。まぁ、面白い分〝大変さ〟もありますが(笑)。
光本
また、ターニングポイントの2つ目は、2012年に外資系企業になったことで、当社は大きく変わりました。経営判断にスピード感が加わりました。そして従来の「当たり前」は通じないことにも。「過去から踏襲されてきたこと」よりも「現在と未来に向けたプラン」への議論が重視されるようになったわけです。これは「第二の成長期」ともいえる事柄でした。
泉妻
技術部門としては、その当時は大変な時期だったのですが(笑)。ただ、多くの課題を抱えていた中で、課題解決のための投資を引き出すことができ、そこで得られた知見や技術を、後の成長に繋げることができました。大胆かつ革新的なアイデアを重視する経営陣の意識は、今後も若い世代へ引き継いでいきたいですし、そうした環境づくりが今の我々に課せられたミッションのひとつでしょうね。
神足
当時、毎月経営会議に参加していました。現副会長・荒木さんと一緒に出掛けていましたよね。しかし、その努力の甲斐があって、現在の当社のような「夢のある会社」に育てることができた。未来に向け、若い人たちとともに今蒔いている種が花開くであろう数年先が本当に楽しみです。

グローバルであることの本当の意味

荒木
シリコンウェーハ業界トップは日本企業。加えて、当社グループ内にもライバルが存在する。そうした市場環境の下、グローバルでありながら、日本企業ならではの強さと視点を備える当社は、業界の中でも重要でユニークなポジションだと思います。それは、世界8カ国に拠点を持つグローバル企業は、業界内にはないということもそのひとつで、世界中の顧客向けに拠点間の相乗効果を発揮しまだまだ成長したいですね。
菅原
業界という意味においては、ライバル企業とも、将来に亘って両社がお互いに刺激し合いながら成長していけたらいいと思っています。他の企業の文化などはわかりませんので比較はできませんが、当社ならではの経営方針や企業文化を守りながら、成長を果たしていきたいですね。
光本
グローバルな市場を前提としたとしても、ユニークな技術を有していること、長期に渡って信頼関係を構築した顧客を多数保有している点が武器となるはずです。こうした武器を研ぎ澄ますためには、英語力やコミュニケーション能力も必要になってきますね。
泉妻
国内トップクラスの企業ばかりでなく、ARM、Apple、インテル、IBMといった、当社保有技術を事業化するために必要となる〝戦術〟を有する企業もまた、ある意味ではライバルと言えるでしょう。他社には無い優れた技術を有し、新しい技術にも積極的にチャレンジできる環境は、こうしたライバルと伍する力の源となるはずで、そこには、若い力、新しい発想も必要になってきますね。
神足
地球規模、8カ国15拠点に及ぶグループの相乗効果は、間違いなく私たちの強みです。グループ内においては、常に「切磋琢磨」し合っている関係性があります。異文化交流もあり、楽しい側面もあるこの環境を活用しない手はありません。若くグローバルな感覚持った人材に期待したいところですね。

未来を、ここから

荒木
より確かな未来を築くのに重視すべきことと言えば、英語によるコミュニケーション力。英語は「学問」ではなく「ツール」であるはず。文法云々などよりも、ポジティブでタフに。日本企業としての緻密さや丁寧さを伝えつつ、グローバルな視野を得るためには、不可欠なツールとなるはずと思います。
菅原
議論は徹底して行うことが大切だと思いますし、そこからより良いものが生まれる可能性は非常に高い。グローバルにものごとを捉えて考え行動することこそが大切だと思います。同時に、当社拠点がある地域や町を元気にしていくことも、当社の使命のひとつですね。
光本
お客様のニーズや満足をいかに読み取るかという点に、未来が掛かっています。もっと言うなら、ニーズや満足を「先読み」した品質向上へとシフトしていくこと。そのためには、日々の仕事のロジックを明確に構築し、近視眼的判断ではなく、より「提案型」へと軸足を移すこと、今風に言えばソリューション型のビジネス・モデルを若い世代が中心となり構築してほしいですね。そして、さらに多くのファンを獲得する分析力と行動力が、明日を形づくっていくはずです。
泉妻
当社が取り組んでいる事業を考えた場合、市場において「Win-Winの関係」となるようなビジネスとすることが、最も重要な事柄です。プロダクト・アウトではなく「マーケット・イン」の発想こそが重要。当社事業分野においては意外に感じるかもしれませんが、こうした取り組みこそが求められているのです。文系でも理系でも、マーケティング的な発想が必要ですし、AIやIoTの時代だからこそ、顧客や市場動向をよく知ることがますます重要になっていく気がしますね。
神足
将来性豊かなデバイスにマッチする製品ポートフォリオを、常に更新していくこと。それこそが「未来を、ここから」ということですね。そのための設備投資や人材採用、育成。こうした部分への努力を惜しむことは考えられません。若くエネルギーを持った人たちで常に技術でリードする。そうあり続けることを目指していきたいですね。